補聴器って片耳につけるだけじゃダメなの?
2021年01月17日
補聴器をつけるにあたって「とりあえず片方だけ試してみたい」とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。
しかし補聴器販売店の人間としては両耳につけてもらいたいんです。
補聴器をつけるなら両耳に、と我々が口うるさくお伝えするのにはそれだけの理由があります。
その理由は大きく分けて3つです。
1.方向感・距離感が分かりやすい
「補聴器を片方だけにつける=片方でだけ音を聞く」というのは脳にとって不自然な状態です。
「何か音がするなぁ」というところまでは分かっても、その音がどこから聞こえるのか、
遠くから聞こえるのか近くから聞こえるのか、という判断が難しくなります。
片目でモノを見てもいまいち距離感がつかみにくいのと同じことですね。
両耳に補聴器をつけて両側から音が聞こえる状態になれば、音の方向感・距離感というのが
格段に分かりやすくなるんです。
2.騒がしい場所でも聞き取りやすい
飲食店など人が多くてBGMまで流れているような環境では、人は必要な音に集中して聞こうとします。
しかし、様々な音があふれる中で特定の人の話す言葉を片耳だけで聞き取るのはなかなか難しいです。
片耳だけではそもそも拾える情報量が十分でないことが多いので
補聴器で両耳の聞こえをよくすることで、聞きたい音に集中する力を高める必要があるんです。
3.疲れにくい
先にも書いた通り、補聴器を片方だけにつける(=片方だけで音を聞く)というのは
片目でモノを見るのと同じようなことです。
本来2つある目や耳でこなしていることを片方だけでやろうとすれば
当然その片方にかかる負担が大きくなります。
やはり左右の耳でバランスよく聞こえる状態にするのが、
聞き取りやすく疲れにくいという意味で理想的と言えます。
ここまで紹介してきたように、両耳に補聴器をつけることのメリットはたくさんあります。
聞こえの満足度を高めるためにも、スゴく良い性能の補聴器を片耳だけにつけるか、
そこそこの性能の補聴器を両耳につけるかを悩まれたなら、後者をオススメします!
※ここまでの話は両耳の聞こえが衰えている場合というのが前提です。
片方だけの聞こえが衰えていたり、片方が完全に聞こえないという場合には
片方だけの補聴器装用をご案内することもあります。