遠近両用メガネとは
老眼鏡をしたまま遠くを見ると、目の前がボヤけてよく見えませんね。
老眼鏡で遠くを見ると写真②のような見え方になります。
これは、老眼鏡が近くのものにピントが合うように作られているからで、遠くのものを見てもピントは合わないのです。
ですから、遠くを見たり近くを見たりするたびに、いちいちメガネを外したり掛けたりすることになってしまいがち。
この不都合を解消するために設計されたメガネが、「遠近両用メガネ」です。
遠近両用メガネは一枚のレンズの中で、遠方を見るための度から下に向かって、中間距離、近方というように度が変化していきます。
遠近両用メガネは、構造上左右にどうしても歪みが発生する部分ができ、手元の視野ほど狭くなる性質があります。
それでは手元の作業がしづらいという問題が生じます。
それで、手元の作業が多い方用に「中近両用メガネ」が作られるようになりました。
中近両用メガネは、室内程度の距離であればピントが合うようにできており、室内での掛け外しはほぼ不要という特徴があります。
このメガネは遠くを見るために作られていませんので、車の運転等は適していません。
遠近両用、中近両用のメガネのほかに、デスクワークが多い方向けに「近近両用メガネ」というものがあります。
こちらは掛けたまま歩くことは不向きですが、パソコンや手芸など手元作業が多い方に作業用として人気があります。
遠近両用メガネをご体験ください。
遠近両用メガネを作るときは、実際に掛けてみるだけではなく、日常で想定される動きをお店の中で実際に行っていただくことが望ましいです。
通常のメガネとは異なる見え方を体験していただくことで、遠近両用メガネとの正しい付き合い方を理解していただけます。
メガネプラザには「体験コーナー」をご用意しています。ここで、遠近両用メガネをかけた生活を体験していただけます。
それぞれの見え方
「遠近両用メガネ」「中近両用メガネ」「近々両用メガネ」でどのように見え方が違うのか、説明します。
遠近両用メガネは手前から遠くまで掛けたまま見られます。
日常生活にオールマイティーと言えますが、老視の度数が進むと視野が狭く歪みも大きくなりますので、度が進んできたら、レンズ性能を上げていく必要があります。
中近両用メガネは室内を広く見渡せ、室内での掛け外しはほぼ不要です。
料理、洗濯、後片付けなど、家事の多くは室内作業です。
このため、遠くが見やすいように設計されている近視用メガネをかけたまま作業をすると知らないうちに目が疲れることがあります。
また、老眼鏡では距離が違うものを見るとボヤケてしまいます。
この不都合を解消するのが中近両用メガネで、室内用としてオススメです。
近近両用メガネは長時間のデスクワーク、手元作業が長い方などにオススメのメガネです。
老眼鏡と異なる点は、近近両用メガネは、パソコン画面、広げた新聞など、焦点を合わせる距離が刻々と変わるデスクワークなどに対応していることです。
とくに長時間作業される方は、その違いがよく分かると思います。
遠近両用メガネは疲れる?
「遠近両用メガネを掛けていると疲れる」ということをお客様からお聞きします。
この原因は以下の3つの理由によるものが多いようです。
1.レンズが合っていない、両側の歪が大きい
遠近両用メガネのスタンダードなレンズは、境目のない遠近両用レンズです。
一枚のレンズの中に度の異なる部分があり、そのためレンズの外側に収差といわれる歪みが発生する部分ができてしまいます。
この一枚のレンズ内の度のどれかが合っていない、または合わなくなったことによる不都合で疲れを感じる場合もあります。
また、左右の収差が大きいことで視界にストレスを感じる場合もあります。
ちなみに、1959年に開発されたこのレンズは今も日進月歩で進化しており、この収差の少ないレンズも数多く登場しております。
上の図は、レンズの比較を表している店内にあるディスプレイです。
左の写真は手前の枠がボケてしまっています。同じ度数のレンズでも右の写真は極力歪みを抑えています。
実際にお店に来て、確認してみてください。
2.フィッテングのミス
遠近両用メガネは、顔にきちんと掛かった状態でその効果が発揮します。
しかし、実際は下のイラストのようにちょっとずれてしまっている人も少なくありません。
これでは折角の遠近両用メガネでも、正しく見ることができません。
顔にきちんとかかるようにお店では「フィッティング」という作業をします。この作業はとても細かな調整が沢山あり、眼鏡店としての腕の見せ所でもあるのです。
購入時にお店できちんと合わせた状態でも、歩いたり、首を動かしたりするうちにすぐにズレてしまうのであれば、それはフィッティングのミスということになります。
念のため、購入後1週間ほど使用してみて、再度お店で調整されることをお勧めいたします。
3.目だけを動かしている
遠近両用メガネは通常のメガネとは違い、使い方のコツが若干異なります。
レンズの範囲内で目だけを動かすと、やはり像がゆがんだり、ふわふわと浮いた感じがしていまいます。
遠近両用メガネは、視線を動かす場合、視線の方向と顎(あご)を一緒に向けるイメージでお使いください。見え方が違ってきます。